花粉症にピロリ菌が有効

花粉症にピロリ菌が有効

2008年7月15日付HealthDay Newsによると、ヒトの胃に生息するヘリコバクター・ピロリ菌が、小児の喘息発症リスクを最大50%低減させることが新しい研究で示され、医学誌「Journal of Infectious Diseases(感染症)」オンライン版に掲載された。

ピロリ菌は人類誕生以来ヒトの胃に存在していたと考えられているが、20世紀に入り、抗生物質の導入や衛生面の向上によって保菌者が減少しつつある。

米ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターのMartin J. Blaser博士らは、ピロリ菌と喘息などのアレルギー性疾患との関連について調べた結果、ピロリ菌と小児喘息、小児の花粉症およびアレルギーが強い逆相関の関係にあることを突き止めたという。

今回の研究では、1999〜2000年に米国立健康統計センターが実施した第4回米国民健康栄養調査の対象となった小児7,412人のデータを収集。

このうち、1990年代に出生した小児の5.4%がピロリ菌陽性であった。さらに、10歳未満の小児の11.3%が調査前1か月以内に抗生物質を使用していた。3〜13歳でピロリ菌をもっている小児は、もっていない小児に比べて喘息を発症する率が59%低いことが判明。また、ピロリ菌をもつ小児は花粉症やアトピー性皮膚炎、発疹などのアレルギーをもつ率が40%低く、3〜19歳では喘息リスクが25%低いこともわかったという。

太古からヒトの胃に存在していたピロリ菌が消えつつあることによって、さまざまな影響がもたらされているとBlaser氏は指摘するが、成人の胃潰瘍や胃癌の減少など、よい影響もあるという。

「ピロリ菌は、小児にとっては疾患の予防となるが、大人にとっては害になるものかもしれない」と同氏は述べている。

別の専門家は、喘息およびアレルギーを理解する上でこの知見が新たな窓を開くものだとしており、「世界がますます清潔化していく中、小児および成人の喘息やアレルギー性疾患の発症率と有病率に着目する研究にこの知見が役立つと思われる。喘息リスクとピロリ菌の関連は、あらゆる意味で示唆に富むものだ」と述べている。

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